2021.06.10更新

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が全世界でおき、変異株の出現で今度も予断を許さない状況が続いています。


新型コロナウイルスのワクチン接種もなかなかスムーズにいかない中でみなさん不安な状況だと思います。
そんな中で健康診断や人間ドックを受けるべきか検討されている方へお話しさせていただきます。

健康診断・人間ドックを受けないことによるリスクより、外出をして健診機関を受診することで新型コロナウイルス感染リスクが大きくなってしまうことをご心配されている方は多いかと思います。
しかし健康診断・人間ドックを受けないと自身の健康状態を知ることはできませんし、病気の早期発見や早期治療に繋がりません。
厚生労働省からも「自覚症状が現れにくい、そんな病気は少なくありません。だからこそ、定期的な健診と検診で健康状態をしっかりチェック。自分の体をしっかり知るのが、健康維持の第一歩です。」というリーフレットもでています。
日本国内では毎年新たにがんと診断される人は約100万人います。
がん患者のうち、4~6人に1人ががん検診や健康診断がきっかけで発見されています(厚生労働省全国がん登録 羅患数・率報告2017年)。
コロナ禍でも健診や持病の治療、お子様の予防接種などの健康管理は重要です。
また発熱、咳や腹痛などは新型コロナウイルス感染症に限りません。
それ以外の病気の可能性もあるため、受診を控えると最適な治療が受けられなくなる可能性があります。
健康診断・人間ドックを行っている施設ではマスクの徹底、換気や消毒を行うことや三密(密閉・密集・密接)を避けるなどの感染防止対策に努めています。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中での受診控えや行動制限はやむを得ない部分もありますが、
治療が必要な疾患やがんは待ってはくれません。
しかし新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑えるためにも受診の前には体温を測定するなど体調に問題がないことを確認してください。
もし体調不良など何か症状がある場合はオンライン診療などを活用し、かかりつけ医や専門機関に相談をしてください。
正しくマスクを着用し、受診前後の手洗いなどの感染対策をしっかりして健康診断・人間ドックを受診しましょう。

 

参考資料:厚生労働省ホームページ

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2021.04.28更新

マスクの正しい着用方法についてお話しさせていただきます。

不織布マスクの裏表、みなさんお分かりですか?
不織布マスクは正しくつけないと、その効果を最大限に発揮できません。
不織布マスクは吐き出し飛沫を80%、吸込み飛沫量を70%カットできます。
(不織布マスクは密閉性が高く、息苦しさや皮膚が弱く使用できない方もいるため、必ずしも不織布マスクでなければならないわけではありません。)

マスクはノーズピース(針金のある部分)がついている方を上に、プリーツ(ひだ)が下向きになっている面が外側になります。
(メーカーや製品により異なる場合もあるため、製品パッケージ説明の確認をお願いします。)
まずマスク着用の前は手指消毒を行ってください。
ノーズピースを鼻の形に合わせ、マスクを顎の下まで伸ばし、顔にフィットさせながら耳ひもをかけて完了です。
ノーズピースとプリーツを合わせていないと、鼻の横のすきまができてしまいます。
また着用していたマスクを顎にかける行為は顎に付着していた飛散物をマスク内側につけてしまうことになります。
口だけをマスクで多い、鼻を出す着用の仕方は自分の咳等が多少飛散しない効果はありますが自分の保護は全くできません。
マスクは細菌やウイルス飛沫、花粉などを吸い込まない役割と、自分がくしゃみや咳をした時に周囲へのウイルス飛沫の飛散を軽減する役割があります。
マスクを正しく着用し、感染対策・予防に努めてください。

参考文献;メディコムジャパンより

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2020.06.17更新

こんにちは!
本日はLDLコレステロールについてのお話です。

 LDLコレステロールは、俗に「悪玉コレステロール」と言われていて、健康診断の結果で最も気がかりな数値…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 これに対して、善玉コレステロール(HDLコレステロール)という検査値もありますね。悪玉と善玉… 全く別物のコレステロールの種類…というわけでは、実はありません。働きが異なるために、呼び分けられている、コレステロールの仲間です。

・悪玉コレステロール(LDLコレステロール):血液中のコレステロールを全身の各細胞に届ける
・善玉コレステロール(HDLコレステロール):血液中の余分なコレステロールを肝臓に運び貯蔵する

〇LDLコレステロール 基準値:65~139mg/㎗
 
LDLコレステロールが高い場合、コレステロールが血管内や各組織に多い状態と言えるので、動脈硬化が進行している恐れがあります。一方で、低値が継続しているような場合には、血管壁が弱くなることもあり、脳出血などの原因となることもあります。

LDLコレステロール値が高値の場合、食事療法が大前提です。食生活の偏りに心当たりがある方は、ぜひ今日から普段の食事やお買い物の際には、メニュー表や食品の裏面の栄養成分表示を見る癖をつけ、脂質がどの程度含まれているのかチェックをする、他に代替できる食品や調味料がないか探す、など、できることから始めてみましょう。
次の検査時には何かしら変化が期待できるかも…しれません。
※家族性高LDLコレステロール血症の場合は、食事療法の効果はあまり期待できず、治療が必要なことがあります。
 
 ご参考にされてみてください。

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2020.05.30更新

本日は血液検査のご案内をさせていただきます。
Prodrome-PAC(プロドローム・ピーエーシー)とは膵臓がんのリスクを調べる血液検査で、
膵臓がん患者の血中で特異的に減少する6種類の長鎖脂肪酸“PCファミリー”を測定し、
膵臓がんのリスクを判別しています。
膵臓がんによる死亡者数は上昇傾向にあり、年間の死亡者数は年間3万人を超えるとされています。
また、消化器系のがんのなかでも痛みなどの自覚症状が少なく、早期発見が難しい上に、進行が早く、重症化してしまうケースが多いとされています。
そのことから、がんの中でも対処が難しい「最悪のがん」として知られています。
・タバコを毎日吸う、もしくは吸っていた方
・週に5日以上お酒を飲む方
・高血糖の持病がある方
・肥満(肥満気味)の方
・血縁家族に膵臓がんになった方がいる方
上記の方には、Prodrome-PAC検査をお勧めします。
また、膵臓がん発症の危険性を増加させるリスク因子として糖尿病・喫煙・アルコール・肥満があげられます。
膵臓がん患者の既往歴をみると、糖尿病が25%以上と最も頻度が高くなっており、喫煙は膵臓がんの発症危険度を2~3倍に増加させると報告されています。
1日3杯以上(日本酒1.7合相当)アルコールを摂取する方や、BMIが25以上ある肥満の方も膵臓がんのリスクが高まると報告されています。
膵臓がんは非常に進行が早く、自覚症状も少ないことで知られています。
Prodrome-PAC検査は採血のみの簡単な検査ですので、ご興味のある方は是非早期発見のきっかけとしてご利用されてください。

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2020.05.27更新

今回は消化器がんの遺伝子検査であるマイクロアレイ検査を紹介いたします。

マイクロアレイ血液検査とは??
体内では、日々がん細胞が発生していますが、免疫細胞の働きにより排除されています。
この免疫細胞が活動する際には、mRNAという物質により適切なタンパク質が作られます。mRNAは数万種類あることが知られており、がん細胞があるときには数千種類が特定のパターンで発見することが明らかになっています。
 マイクロアレイ血液検査は、mRNAを測定して消化器がんのリスクを調べる検査です。
対象となるのは胃がん・大腸がん・すい臓がん・胆道がんです。4種のがんの有無についての感度・特異度は90%を超えており、高い精度で判別を行うことが可能です。
 
がん活性化→がん認識→援軍要請→免疫増加→攻撃命令→攻撃→がん死滅

本検査では、攻撃命令の段階を調べることで「かん」に有無を判断します。

マイクロアレイ血液検査の特徴
高い感度…9割の感度で消化器がんを発見
簡単な検査方法…5.0ccの血液を採取するだけ
同時に検査できる…4つの消化器がんを同時に検査できる
安心の検査方法…X線の被ばくがありません

報告レポートのイメージ
マイクロアレイ血液検査は3段階の分析を行い、各がんのリスクを判定しております
1. がん・炎症により変動する2,665種のRNA発現量
2. 消化器がんにより変動する21種のRNA発現量
3. 各臓器のがん症例のRNAの発現パターン


気になる方は、どうぞお問い合わせください。

 

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2020.05.26更新

本日は腫瘍マーカーについてお話しさせていただきます。
腫瘍マーカー検査は採血で行う、癌の可能性を示す指標検査になります。
身体のどこかに癌が出来ると、正常ならわずかにしか存在しない物質が血液や細胞組織、排泄物などの中で増えてくることがあります。
言い換えるとそれらの物質の増加をとらえることが出来れば、癌が出来ていることの証拠になります。このような物質を「腫瘍マーカー」と呼び、癌から出てくる物質と癌が出来たことに反応して細胞組織がつくる物質の2種類があります。
この検査は腫瘍のスクリーニング検査の1つとして広く行われているほか、癌の診断や、その治療中の病気の経過観察にも活用されています。
腫瘍マーカーの種類はたくさんありますが、そのほとんどは特定の癌に対する特異性が高くありません。つまり腫瘍マーカーのどれかが異常値を示したとしても、それだけで癌が存在する診断をつけることはできません。
たとえばアミラーゼは膵臓がんの腫瘍マーカーの1つとして活用されていますが、膵炎などでも血中濃度が高くなるというように癌以外の病気が原因で異常値を示すものが腫瘍マーカー中にはいくつもあります。
腫瘍マーカーの異常値が癌の存在を示す明確な証拠にはなりません。スクリーニングを目的に腫瘍マーカー検査を実地した場合、異常値はそのマーカーにかかわる臓器に癌が発症している可能性を示唆しますから追加検査を行い、癌が実際にできているか、できていればどの臓器かを確認し、精密検査によってその病態を調べ、確定診断を得る必要があります。
また、あらかじめ特定の臓器に癌が出来ていることが推測されていて、腫瘍マーカー検査を行うこともあります。
検査によって異常値が示唆されたら、確定診断のための手がかりの1つとします。
なお腫瘍マーカーが癌の存在を示しているとは限らないのと同様に、異常値が見つからなければ癌が存在しないという確かな証拠にもなりません。
これは癌がある程度進行しないと異常値を示さない腫瘍マーカーが少なくないからです。
腫瘍マーカーの検査はあくまでも補助的な検査となりますので、腫瘍マーカーの検査結果だけをみて一喜一憂するのは避けた方がいいでしょう。

 

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2020.05.19更新

こんにちは。
新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的規模で流行し、外出自粛などで皆さんストレスの多い日々を過ごされているかと思います。
大変な毎日ですが、みなさん生活習慣を見直して健康意識を高めてみませんか?

生活習慣改善の7項目(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版)
1. 禁煙し、受動喫煙を回避する
2. 過食と身体活動不足に注意し、適正な体重を維持する
3. 肉の脂身、動物脂、鶏卵、果糖を含む加工食品の大量摂取を控える
4. 魚、緑黄色野菜を含めた野菜、海藻、大豆製品、未精製穀類の摂取量を増やす
5. 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取する
6. アルコールの過剰摂取を控える
7. 中等度以上の有酸素運動を毎日合計30分以上を目標に実地する

上記が生活習慣改善の7項目です(動脈硬化性疾患予防ガイドラインは5年おきに改訂)。
なかなか7項目全てを積極的に行うのは難しいことですが、
まずは標準体重の維持や食べ物に気を付けるなど、ご自身にとって簡単なところから始めていきましょう。

自分の標準体重を知ろう!
標準体重は身長(m)×身長(m)×22の計算式で算出することができます。
身長160㎝の方の場合は、1.60×1.60×22=56.32㎏が標準体重となります。
また、標準体重を目標に身体活動量に適した摂取エネルギー量と栄養素バランスを維持しましょう。
適正エネルギー摂取量は標準体重×25~30kcalで算出できます。
体重60㎏の方で1500~1800kcalとなります。

食品摂取の目安とは?
食塩は1日6g未満、アルコールは1日25g。
※日本酒は1合、ビールは中瓶1本、ワインはグラス2杯程度です。
炭水化物の比率を50~60%にして野菜、果物、大豆、魚の摂取を増やすなどが目安です。
動脈硬化予防に有効な栄養素を摂取しましょう、EPA・ビタミンC・ビタミンE・リコピンなど。
EPA→青魚(あんこうの肝、アユ、サバ、イワシなど)
ビタミンC→ピーマン、アセロラ、レモンなど
ビタミンE→カボチャ、ナッツ、うなぎなど
リコピン→トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツなど

運動の目安とは?
生活習慣病予防のために、まずは今の生活に10分間の運動を加えるところから始めましょう。
(10分間の階段昇降、軽いジョギングなど)

生活習慣見直しのポイントを少しご紹介させていただきました。
コロナウイルスが流行している日々で、なかなか普段の生活習慣を変えるのは難しいことだと思います。
まずは3食きちんと食べ、よく睡眠をとることから始めてみてください。
また、マスク着用で体内に熱がこもり、さらにマスクの中は常に湿った状態で喉の渇きを感じにくい状態になっています。
いつも以上にこまめな水分補給を心掛けてください。

 

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2020.05.17更新

こんにちは!
本日は血液についてのお話です。

これまでに、病院受診時に血液検査や健康診断、献血ルームで、など、採血を受ける機会があった方も多くいらっしゃると思います。

そんな血液での検査の中から、本日は赤血球数(RBC)についてピックアップしてご紹介します。

血液の1μℓ(マイクロリットル=1mlの千分の一)中に赤血球が何個含まれているかを調べる血液検査で、貧血の有無を確認する代表的なスクリーニング検査です。
赤血球はその主成分のヘモグロビン(血色素:鉄を含んだ色素とたんぱく質が結合したもの)により、酸素を体中に運搬し、二酸化炭素を回収する役割があり、赤血球が不足すると貧血症状が現れます。
貧血にはいくつかの種類があり、最も多いのが鉄欠乏性貧血です。体内の鉄分が不足することで、鉄を主成分とする赤血球を十分に作れなくなり起こります。

〇貧血の主な種類
種類 主な原因
鉄欠乏性貧血 体内の鉄が不足することでヘモグロビンの合成が不十分となり生じる
巨赤芽球性貧血(悪性貧血) 赤血球の生産時に必要なビタミンB12や葉酸の吸収障害が原因となることが多い
再生不良性貧血 赤血球がつくられる骨髄に障害が生じることで起こる
溶血性貧血 遺伝や自己免疫、心血管疾患などが原因で、赤血球が通常より早く破壊されて起こる
続発性貧血(二次性貧血) 感染症や炎症、肝・腎疾患、一部の癌などの基礎疾患が原因となり二次的に起こる

〇基準値
成人男性:370万~570万個/μℓ
成人女性:370万~490万個/μℓ

男女とも、350万個/μℓ未満の場合は、早期に原因を調べ、診断に応じた治療を開始することが大切です。また、高値の状態(男性:600万個/μℓ、女性:550万個/μℓ以上)が続くと、血管内に血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を発病しやすくなりますので、注意が必要です。

最も多い鉄欠乏性貧血の場合、鉄剤の服用の他、鉄分の多い食品を積極的に摂る食事療法も重要です。

〇鉄分の多い食品
 動物性食品:レバー、肉類、魚類、貝類
 植物性食品:ほうれん草、小松菜、海藻類

これらの食材に加え、赤血球がつくられる際に必要なビタミンB12や葉酸、鉄の吸収を促進するビタミンC、赤血球の寿命を延ばす効果が期待されるビタミンEを多く含んだ食材を合わせて摂るよう心がけてみてください。

検査結果が今まさに手元にあるという方!
ぜひご自身の数値を確認していただき、必要な方は食生活の見直しに役立てていてくださいね。

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2020.05.16更新

当院での人間ドックや一般健診で受けて頂くことが可能な、頸動脈超音波検査とは、超音波検査の装置を用いて、首の辺りにある頸動脈の状態を調べる検査です。
頸動脈を調べることにより、全身の動脈硬化の進行の程度や血管の狭窄、血液の流れの状態などを推測する手がかりとします。
検査はベッドに仰向けになった姿勢で行います。皮膚の上からゼリーを塗った機械をあてるだけなので、身体への負担はほとんどありません。

○超音波とは?
超音波とは、人の耳では聴こえないほどの高い周波数の音のことです。
超音波は臓器や組織の境界で反射する性質があり、その反射を受信し画像を作り出す検査を超音波検査といいます。

○なぜ頸動脈での検査か?
頸動脈は心臓から脳に血液を送る非常に大事な血管です。
頸部(あごの付け根あたりから首)を左右に一対で走行しており、一部は皮膚の浅いところを走行しているため拍動を触れることができます。
胸部大動脈から総頸動脈という血管が脳へ向かい、頸部にて脳に血液を送る内頸動脈と、顔面に流れる外頸動脈に分かれます。
超音波検査では、主に総頸動脈と内頸動脈を検査します。

○血管の構造とは?
動脈の血管の壁は、内膜・中膜・外膜の3層構造になっていて、その内側を血液が流れています。動脈硬化が出現し進行してくると血管の壁が厚くなります。


○この検査でわかることとは?
動脈血管は3層構造になっていて、内側の内膜と中膜の厚さ(IMT)を測り、これが1mmを超えると動脈硬化の存在が示唆されます。(正常値は年齢によっても変化します)
また血管血流をみるカラードップラー法により、血流の速さや方向などによってプラークや明らかな血管狭窄、閉塞など、動脈硬化の状態をある程度推測することができます。その程度が強いほど、全身の動脈硬化(血管が硬くなること)も進行していると判断することができます。
動脈硬化が進行した場合は、脳梗塞や脳血栓、脳出血、くも膜下出血、心筋梗塞、狭心症、大動脈解離、腎硬化症壊死、下肢の閉塞性動脈硬化症などの原因になります。

動脈硬化の種類
動脈硬化には、3つの種類があります。
1. 粥状硬化
血管の内膜にLDLコレステロールが大量に沈着し、その部分にマクロファージなどが集まって粥状のかたまり(プラーク)を形成することによって起こります。
これによって血管内腔が狭くなり、その部分が破れてしまうとそこに血栓ができます。血栓とは血管の中で血液が固まって塊になったものです。この血栓が血管内でつまると、心筋梗塞や脳梗塞となります。
2. 中膜石灰化硬化
血管の内膜に石灰沈着が生じて起きる動脈硬化です。
3. 細動脈硬化
細い動脈の血管壁が厚くなり、内腔が細くなる形で起こる動脈硬化です。

偏った食生活、運動不足、喫煙、生活習慣の乱れなどにより動脈硬化が起こります。
動脈硬化を放っておくと脳梗塞などの重い病気を引き起こすことがありますので、コレステロール値が高い(特にLDLコレステロール)など疑わしい場合は一度頸動脈超音波検査をお受けすることをお勧めします。
頸動脈のプラーク発見をきっかけに、生活習慣や健康意識を改善することができるかもしれません。

参考文献:
病院で受ける検査と数値がわかる事典 成美堂出版

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

2020.05.14更新

LOX-index®とは動脈硬化の進行リスクを測定し、将来の脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを評価する検査です。
脳梗塞は寝たきりの原因にもなる疾患で、「3人に1人」が亡くなるか、後遺症がのこります。
心筋梗塞は突然死の危険がある疾患で、年間15万人が発症しています。
脳血管疾患・心疾患の年間の死亡者数はがんと同水準であり、「4人に1人」が動脈硬化を一因とする疾患で亡くなっています。
将来のリスクを知ることで予防や改善へ役立てて頂くための指標であり、疾患の有無を確定するためのものではありませんが、以下に当てはまる方には検査をお勧めします。

~LOX-index®検査がお勧めの方~
・肥満気味である
・高血圧、脂質異常、糖尿病などの持病がある
・脂っこい食事や塩辛い食べ物をよく食べる
・たばこを吸っている、もしくは吸っていた
・定期的に運動をしていない

検査方法は?
採血を行います、食事制限は必要ありません。
血液中の酸化した超悪玉コレステロール(LAB)と、それを血管の壁に取り込んで動脈硬化を進ませるタンパク質(LOX-1)の量を測定します。
“sLOX-1(LOX-1の血中濃度)”と“LAB(酸化変性したLDL)”の2項目を測定し、その積をLOX-index®として評価しています。

LABとは?
LABとは、悪玉コレステロール(LDL)が酸化し、より悪玉化した状態の物質です。
別名「超悪玉コレステロール」とも呼ばれています。
LAB(酸化変性LDL)の値が高い方は、体内の酸化ストレスが進んでいると考えられます。喫煙やメタボリックシンドローム、暴飲暴食は関連が報告されています。
★喫煙…喫煙は動脈硬化のリスク因子であり、LAB(酸化変性LDL)の増加にも繋がります。
★メタボリックシンドローム…メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積に伴って、耐糖能異常や脂質異常症、高血圧などが集積した疾患概念です。動脈硬化性疾患の危険性を高め、LAB(酸化変性LDL)の増加にも繋がります。
★暴飲暴食…暴飲暴食は動脈硬化のリスクとなります。
         なお抗酸化作用のある食物の摂取は活性酵素の発生を抑え、LAB(酸化変
         性LDL)の改善にも効果があると考えられています。

LOX-1とは?
LOX-1とは、血管内皮細胞に存在するタンパク質です。
発見当初は酸化LDLのスカベンジャー受容体として酸化LDLを認識して取り込む機能が注目されておりましたが、現在は炎症性マーカーとして研究も進んでおり、動脈硬化の促進因子として注目されています。LOX-index®検査では、細胞表面上からプロテアーゼにより切り離され、血中に存在している可溶性のLOX-1(sLOX-1)を測定しています。
LOX-1が高い場合、血管の炎症が進んでいる可能性が考えられます。喫煙や肥満、糖尿病はLOX-1と関連があります。
★喫煙…喫煙は血管の炎症を引き起こし、LOX-1の増加にも繋がります。
★肥満…肥満は動脈硬化のリスク因子と考えられており、LOX-1の増加にも繋がります。
      実際に、BMI25以上の肥満群では血中sLOX-1濃度が高値を示すことが報告されています。
★糖尿病…糖尿病は、血液中を流れるブドウ糖(血糖)が増える疾患であり、LOX-1の増加にも密接な関わりがあります。

LOX-index®についてのよくあるご質問?
・どのくらい採血されるのですか?
約2ml程度です、多くはありません。

・検査は一生に一度だけ受ければよいのですか?
採血した時点の体質をみるものになりますので、年に一度程度の検査をお勧めします。
数値は食生活や運動習慣によって改善することも可能です。なお、再検査する場合は最低でも3か月以上の運動・食事改善に取り組んだ後をお勧めします。

・実際に脳梗塞、心筋梗塞になっているか分かりますか?
わかりません。
将来的に脳梗塞や心筋梗塞といった疾患になりやすい状態にあるかどうか、将来的発生危険度を調べるための検査です。

・検査結果が悪い場合はどうしたらいいですか?
検査レポートのアドバイスに従って、生活習慣などの見直しを行うことをお勧めします。
また、実際に動脈硬化が進行している可能性も高いので、必要に応じて頸動脈超音波検査などの画像検査の受診もお勧めします。

さいごに…
動脈硬化が進行すると、将来的に脳梗塞・心筋梗塞を発症するリスクが高くなります。
動脈硬化が起こっていても、自覚症状はありません。ご興味のある方は是非検査を受けて、ご自身の将来のリスクを知り、予防や改善へ役立ててください。

投稿者: 二子玉川メディカルクリニック

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